Import Collection/インポートコレクションは、各商品にモデル名がついていて、インポートの名門生地メーカーの中から生地をお選びいただき、お仕立てするハイラインのコレクションです。
インポートコレクションは、「モデル名がついていること」「生地が選べること」以外にも、「意味が込められていること」という裏設定があります。
他のコレクションに全く意味が込められていないというわけではありませんが、インポートコレクションはモデル名の由来も含めて、意味が込められています。
YUUGAのフラッグシップモデルである、Izabella/イザベラの制作過程についてお伝えすることで、「意味が込められていること」について知っていただけたらと思います。
Izabella/イザベラは、YUUGAをリリースした同年2021年の冬にリリースし、2021年12月25日のポップアップが初お披露目となりました。
YUUGAの1stコレクションであるウィナーズウールコレクションと同時期に、ノートの端っこにひっそりと描いていたのがイザベラでした。
タイミングの見計らいもあり、期間で言うと、約2年越しのリリースでした。
アパレル出身ではないからこそのデザイン
YUUGAの世界観を表現する際に、「モードとクラシックの中間」という概念的なところから、より具体的にしていくと、
- ボタンなどの装飾はギラギラと目立たないようにする
- シルエットは分かりやすくする。8ラインなどのライン強調や、優雅に=生地を贅沢に・惜しみなく使いフレアを大きく出す など
- でも何か、ポイントになるようなところ(デザイン性)が欲しい
まだ書き足りないような気もしますが、、このような思考回路になっています。
YUUGA全体通して言えることですが、シンプルだけどデザイン性も必要という、ある意味 極限に制限された中で、イザベラは襟元、大きなフレア、カフスがポイントになっているかと思います。
当時の拙いデザイン画を持って、YUUGAのパタンナーとの打ち合わせ。
「これどうやって着る?」パタンナーさんに言われて、ハッとしました。
正面にボタンがないので、後ろファスナーで着ることになるとして、襟はどうする?
確かに・・・
私が知っている、襟がある服=シャツは、前でボタンだし、後ろファスナーのものは大抵襟がない。襟があると、首が開かないから着られない。。
考えてなかった。笑
でも、打ち合わせの場で今の仕様にすぐ決まりました。
襟を割ることで首を開かせ、最後にスナップボタンで止めることで、襟を閉じることができる。
デザインを変えずに、現実的に着られるものができて一安心(笑)しました。
YUUGAのパタンナーからは、「こういう発想はなかなかない」と、アパレル業界以外の出身だからこそ、ポジティブな意味で仕様を考えていない作り方になっていて面白みがある。と言っていただきましたが
私はここで「ちゃんと着ることも考えないといけない」と、当たり前なのですが・・・私にとっては、大切な気づきを得た体験でした。
少しずつ理想へ
それから、私とNorikiはこのモデル(当時はまだ名がついてない)をYUUGAの世界観を代表するモデル=「フラッグシップ」として作り上げるために、生地メーカーのトップと言える「LOROPIANA」を使って作ろう!と決めました。
しかし、なんと言っても、生地値が高い。
最初から本番の生地を使ってしまうと、とんでもない赤字になってしまうので、それを避けるために、アパレルとしては通常の工程でもあるトワル(仮縫い)とサンプル縫いを行います。
トワルは、通常はざっくりとした風合いの「シーチング生地」を使って、形をみるのですが、私たちの場合は、トワルの時からなるべく本番の生地に近いものを使いました。
一般的な洋服でも使われているレベルの生地を使ったので、シーチング生地よりも何倍もの価格はかけたと思います。
一番初めのトワルの写真が残っていました。
▼2021/2/初旬 |
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ウエストがまだ大きいのと(掴まれてる)、スカートのフレアも、タックが入っておらずまだ十分ではありません。
修正版がこちら
▼2021/3/中旬 |
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だいぶ完成品へ印象が近づきましたね。
確か、ここからの直しはほとんどなく、リボンの太さを変えた程度だったように思います。
完成品は商品ページにもありますが、改めて、こちらです。
▼2021/12/25代官山 |
▼2022/1/29試着撮影会 |
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▼2023/9/2試着撮影会 |
※LOROPIANA AUSTRALIS Super150'sを使用(現在は廃盤)
カフスのボタンは、本水牛のボタンにしてしまうと、ドレスとしての華やかさが出ず、重たくなってしまうので、スモークがかった色味の貝ボタンを使用しています。
迫力と重厚感のある生地に対して、この貝ボタンを使うことによって、控えめな煌びやかさと軽やかさをプラスできたと思います。
通常のワンピースなら生地の用尺は 2m〜2.5mあれば作れてしまいますが、イザベラは3.5mと贅沢に使っています。スカートの裾まわり(蹴回し)も3m超えで動作に合わせて大きく揺れ、生地の美しさをより楽しめます。
名前の由来は「女王」
製品があがってきた時は、本当に今でも忘れません。
製品から放たれる雰囲気・オーラが尋常ではなくなんだか神々しくもありました。
Norikiとは10代の頃からの付き合いで夫婦でもありますが、この時初めて、スラムダンクの桜木と流川さながらのハイタッチを交わしたのを覚えています。笑
それから、このモデルにふさわしい名前をつけようと考えました。
YUUGAのフラッグシップとして作り上げ、YUUGAのトップに君臨することを意味し、
また、生地も、生地メーカーのトップブランドを使っていることから
女王のような名前がいいと考えていました。
そこで、「エリザベス」が候補にあがったのですが、語呂・響きとしてより しっくりきたヨーロッパの女性名としてエリザベスにも対応している「イザベラ」に決定しました。
余談ではありますが、名前の由来として実はこのデザインの見た目上のもう一つの意味も含まれています。それは皆さんのご想像にお任せします。